常温では固体の脂肪類
常温で固体の状態の油のことを脂肪と呼びます。食用に適したものはチョコレートの原料として用いられるカカオバター、インスタント食品やスナック菓子などの加工用に用いられるパーム油などの植物性のものや、食肉の脂身や皮などに含まれるヘット(牛脂)やラード(豚脂)、動物の乳に含まれる脂肪分を凝固させて造られるバターやギーなどの動物性のものがあります。
植物性であるカカオバターやパーム油などは、日用食材として日本ではあまり用いることはありませんが、動物性の油脂はさまざまな料理に活用されています。
脂身と脂
食肉の脂身や皮などに含まれる脂分は、そのままでは美味しいものではないので、調理用に用いることが多いようです。牛肉の脂身であるヘットは、ステーキやカツレツ、すき焼き用の食肉を購入することで無料で提供されることも多く、その調理を行う際に用いる油として用いると独特の旨味と風味が生まれるため、欠かせないものとなっています。
同じく豚肉の脂身を精製したラードも、日本ではそのままで食するよりも、豚肉のと調理加工用に用いたり、揚げ物用の油に混ぜて香り付けなどに用いることが多い食品です。特にとんかつ専門店では、植物油より酸化しにくく、香ばしい仕上りにするために、揚げ油用にラードを作ってから営業する店も多く、人気を呼んでいます。最近はラーメンのスープにラードを加え、スープの風味を増す方法も人気があります。沖縄の伝統菓子であるちんすこうやサーターアンダギーでも、ラードを原料として用いるものもあります。
台湾や香港などではラードそのものの旨味でご飯を食べる、ラードごはん(猪油飯)という家庭料理があり、日本でも若い人を中心に人気があります。バターご飯と同じ感覚で、暖かいご飯にラードを混ぜ込んで頂くというシンプルなものですが、意外と食べ応えがあると好評のようです。
乳から生まれた脂
牛乳の乳脂肪分を凝固させたバターは、現在の日本でも欠かせない食材にまで成長しました。パンやお菓子等に用いたり、洋食メニューの風味付けやソースとして活用したり、ラーメンやご飯にトッピングして頂くなど、食べ方は多岐にわたります。またしょう油や味噌などの日本独自の調味料との相性も悪くないため、さまざまなアレンジ料理に好んで使われるようにもなりました。
バターと同じように活用できる脂として、水牛やヤギの乳の乳脂肪分を凝固させた、ギーという食材があります。日本ではあまり一般的ではありませんが、インドやアフガニスタンなどのアジアで主に使われるバターのようなものです。エスニック料理やインド料理を好む方には欠かせない食材の一つで、バターよりサラッとした食感と独特の香ばしさで注目を集めています。
