日本の調味料の代表
外国人がイメージする日本の調味料はダントツでしょう油でしょうか。寿司、刺身にはしょう油は欠かせないものですし、その独特の味わいやしょう油風味のソース等にも人気が集まっています。
日本のしょう油は大豆、小麦、塩を主原料に麹菌、乳酸菌、酵母などによる複雑な発酵により精製されたものです。しょう油は日本の食文化の基本となる「発酵食品」の一つであり、和食に欠かせない調味料の一つでもあります。もともとのルーツは醤(ひしお)であるとされるしょう油ですが、日本独自の発展を経て、明治時代中期には現在のしょう油と同じ製法が確立されたと言います。発酵過程を得られる香気成分による香りや、大豆由来の旨味と消臭作用、小麦由来の甘味が複雑に絡み合ったしょう油は、長い期間を経て日本人に愛され続けてきた調味料の一つでもあります。
しょう油の主な種類
しょう油は日本各地で独自の風味や味わいをもつものが開発されたきた地域色豊かな食品・調味料でもあります。製造方法、原料、特徴などを基準に日本農林規格(JAS)では大きく5種類に分類されています。
最も一般的なしょう油「こいくち(濃口)」は、しょう油の生産高の約9割を占めます。大豆と小麦の比率が半々で、全国的に生産されるしょう油でもあります。香りが高く、うすくちとたまりの中間的な色を持つこいくちしょう油は、関東地方発祥のもので、後に全国に広まったものです。関西地方で一般的なしょう油「うすくち(淡口)」は、こいくちに比べると色や香りが薄く、原料の麦を浅く炒り、酒を加えたもので、塩分濃度はやや高めなのが特徴です。食材の色や風味を生かしやすいため、汁物、煮物、めんつゆなどに好んで用いられますが、酸化すると黒みが出てしまうために、賞味期限が短めでもあります。このうすくちというのは薄味という意味で誤解されがちですが、色や香りが薄いという意味になります。
とろりとして旨味、風味、色が濃厚な「たまり(溜り)」しょう油は、大豆中心で小麦をごく少量かほとんど使わないで作られます。東海地方で好まれるしょう油ですが、一般的には照り焼きなどのたれなどの材料に用いられます。ほかにもさしみしょう油や甘露しょう油と呼ばれる「さいしこみ(再仕込み)」や、減塩・うす塩しょう油、しょう油にだしなどを加えた昆布しょう油などがあります。
地域色の強いしょう油
しょう油は日本人の食生活に欠かせないものであると同時に、長い歴史を持ちます。各地方ごとの食文化と同様に、地方によって好まれる味や風味、色合いなどが生まれ、それぞれ独自に発展してきた調味料でもあります。関東や東北地方では、香り高い中間的な澄んだ色合い、クセのない軽い風味が好まれるため、こいくちしょう油が発展してきました。しょう油の使い分けも行われないために、めんつゆや割下などのしょう油ベースの合わせ調味料に用いられるのもこいくちが中心の地域です。
用途によってしょう油を使い分けるのは東海地方や近畿、北陸、中国・四国地方です。うすくちしょう油を中心に、白しょう油や、たまり、こいくちなどを料理や用途によって使い分けます。一方、九州地方では、甘めのしょう油が一般的です。こいくちしょう油は関東地方のものに比べていろが黒めで、まろやかな香りの濃厚な味のものが好まれる傾向があります。
